治すために知っておきたい!過敏性腸症候群の原因とIBSの症状が続く理由
過敏性腸症候群(別名:IBS)の原因についてとっても簡単に説明すると、大半の場合
最初の原因はさまざま。
長引く理由は症状自体がストレスになっている。
からです。
もくじ
過敏性腸症候群になる原因はハッキリしていない
いまの研究では過敏性腸症候群になる原因はハッキリしていないため「絶対これのせいでなった!」というものはありませんが、過敏性腸症候群になるキッカケや原因としては
- 感染性の胃腸炎
- ストレス(性格)
- 親からの遺伝
- ホルモン
といったものがよく挙げられいます。
感染性の胃腸炎
最近では感染性の胃腸炎にかかったあとに過敏性腸症候群を発症する場合が多いといわれています。
ただ、「○○という胃腸炎にかかったから過敏性腸症候群になる」というわけではありません。
ほとんどの胃腸炎の患者さんは普通に治りますが、一部の人がそのまま過敏性腸症候群へとつながってしまうと言われています。
これは、胃腸炎によって腸の粘膜が弱ってしまったり、おなかの中の良い菌だったり悪い菌だったりのバランスが崩れてしまうことで、腸そのものが過敏な状態になってしまい、お腹が痛くなるループにはまってしまうからです。
性格的にストレスを感じやすい
過敏性腸症候群の原因ははっきりしていませんが過敏性腸症候群になりやすい性格というものがあります
- 完璧主義
- 真面目
- 責任感が強い
- 神経質
- 緊張しやすい
といった性格です。
もちろんこういった性格の人がみんな過敏性腸症候群になるわけではありませんし、真面目でも几帳面でもないのに過敏性腸症候群になる人もいます。
なので、過敏性腸症候群になりやすい性格というのはあくまで目安でしかありませんが、過敏性腸症候群はストレスによって引き起こされることが多いという点からもこういった性格の人がかかりやすい病気だと言われています。
親からの遺伝
過敏性腸症候群はよくある遺伝病とは少し違います。
親が過敏性腸症候群だからといって子供が絶対に過敏性腸症候群になるとは限りませんし、逆に親が過敏性腸症候群じゃなくても子供が過敏性腸症候群になることもあります。
過敏性腸症候群が遺伝の影響もあると言われているのには3つの理由があります。
- 腸内細菌は親と似る
- 生活スタイルも親と似る
- 性格も親と似る
の3つです。
腸内細菌は親と似る
腸内細菌というのは親から子供に受け継がれます。
そのため親が過敏性腸症候群で腸内細菌のバランスが悪いと、子供にもそのバランスの悪い腸内細菌が受け継がれてしまうのです。
生活スタイルも親と似る
腸内細菌というのは生まれた時に全てが決まっているわけではなく、その後の生活によって腸内細菌のバランスは変わっていきます。
しかし、親と生活している場合は生活スタイルも似て行きますよね。
本当に小さい時はともかく、普通にご飯が食べれるようになったぐらいからは同じ食事をしているはずです。
なので、親がバランスの悪い生活を続けていればそれがそのまま子供にも影響し、結果として過敏性腸症候群が遺伝のように引き継がれていってしまうのです。
性格も親と似る
また、 性格も親と似がちです。
性格というのは遺伝と環境の半々で決まると言われています。
しかし、大半の子供は親の価値観に似てきます。
たとえば、親が神経質なら子供も神経質になりますし、親が完璧主義者なら子供もそれに応えようと何でも完璧にしなくてはいけないという心持ちになります。
そのため過敏性腸症候群になりやすい性格になってしまうのです。
ホルモンのバランス
ホルモンの影響で過敏性腸症候群を発症してしまうのは女性に多いです。
生理痛がひどくありませんか?
また、生理の時に下痢になってしまうことはありませんか?
生理の時のホルモン状態は、お腹の調子を悪くします。
その時の腹痛や下痢がキッカケで、過敏性腸症候群の悪いループにはまってしまうことがあります。
IBSが長引く理由はストレスであることが多い
ただ、過敏性腸症候群になったキッカケそのものはそこまで気にする必要はありません。
今から過敏性腸症候群を治していくために大切なのは『長引かしている原因』の方です。
過敏性腸症候群が長引く理由の大半は『症状に対するストレス』です。
IBSの人はストレスがかかりやすい状態にある
先ほど挙げた過敏性腸症候群になりやすい性格と言われている人たちは、責任感の強さから適当でいることが苦手で、何でも一人で抱え込んでしまいます。
そのため、ストレスを溜めやすく結果的に悪循環を産んでしまい、過敏性腸症候群の症状が重症化しやすいと言われています。
またストレスがかかる場面というのは人によって違いますが、過敏性腸症候群を発症した後はトイレに行けないことが怖くなりそれがストレスとなることも多いです。
- 学校での授業中やテスト中
- 電車やバスといった通勤途中
- 席を外せない仕事中
- 会議前
と言った時にすぐにトイレに行けないという不安や緊張感から、腸が過敏状態になってしまい下痢やおならといった症状が起こりやすくなります。
腸は『第2の脳』と言われているような場所なので、脳と密接に関係しています。
ストレスを脳が感じることで、腸を過敏(内臓知覚過敏)な状態にしてしまいます。
腸の知覚過敏(内臓知覚過敏)
知覚過敏を簡単に説明すると、普通だったら痛くないのに過敏になりすぎていて痛く感じることを言います。
わかりやすい例えでいうと、正常な状態の時は全然問題ないのに虫歯の時に冷たいものを飲むとキーンと痛むのと同じ感じです。
普通はお腹の中で消化活動が起こっても腹痛を感じることはありません。
これは、腸が「普通のこと」として受け入れているため脳に信号を送らないからです。
逆に、食中毒になってしまった時なんかは、腸が「異常事態だ!」と脳に信号を送ることで、脳が防御反応として腹痛を起こします。
これが普通です。
しかし、内臓知覚過敏になってしまうと腸の中を便が動いたりといった自然な動きすらも腸が「何かが起きてる!危険だ!」と脳に信号を送ってしまい、脳はそれに対処しようと腹痛や便通異常を起こしてしまいます。
この状態が過敏性腸症候群なのです。
ご飯を食べた後、便を出すためには腸が動いてお尻の方に便を動かすのがふつうです。
しかし、過敏性腸症候群になると、腸が伸びたり縮んだりする収縮運動の動きが激しくなり痛みを強く感じるのです。
また、同じ収縮運動でも過敏性腸症候群になっていると一般の人からするとちょっとした痛み、トイレに行きたいぐらいのお腹のゴロゴロを腹痛として感じるのです。
予期不安と重なってひどくなる
過敏性腸症候群の厄介な部分として、最初は単にお腹の調子が悪いことが続くと言った比較的軽めな症状だったはずなのに、徐々にお腹が痛くなることに対する恐怖が強くなり、不安障害の一種としてお腹を壊すようになってしまうことです。
- お腹が痛くなったらどうしよう
- この前もお腹が痛くなったから、またお腹が痛くなるんじゃないか
そんなふうに思ったことはありませんか?
これが予期不安です。
この、「なったら嫌だ」「こわい」という気持ちが脳や腸にとってのストレスになっており、学校や仕事でストレスを感じていなくても知らず知らずのうちにストレスが溜まってしまい過敏性腸症候群の症状が出てしまうのです。
そのため、一番最初に過敏性腸症候群を発症した原因が取り除かれた後も過敏性腸症候群の症状が出続けるのです。
ストレスがないのに過敏性腸症候群が治らない、という人はこの予期不安による影響である可能性が高いです。
しかし、過敏性腸症候群とは?でお伝えした通り、過敏性腸症候群は心の病ではありません。
腹痛のキッカケそのものがストレスによるものだったとしても、それによって症状が出る消化管の機能異常がある医学的な病気です。
過敏性腸症候群の人はストレスによって胃腸に症状が起こるタイプの人なのです。
単なるストレス解消では効果がない!
過敏性腸症候群の人。
特に長く過敏性腸症候群に苦しめられている人ほど、ストレス解消方法について模索していると思います。
しかし、ストレス解消法として一般的に言われている
- 身体を動かす
- 映画を観る
- 大声を出す
- お香やアロマを焚く
といったことを試してもなかなか過敏性腸症候群の改善には結びつきません。
もちろんこういったものは健康に良いことですし、普段感じるストレス解消の効果はあります。
取り入れた方が改善に近づきやすいです。
ただ、そもそも過敏性腸症候群人は『症状そのものがストレス』状態なので、多くの場合『お腹が痛くなることへの恐怖』をどうにかしなくては、過敏性腸症候群は良くなっていきません。
しかし、この恐怖さえなんとかすることができれば、症状は大分改善するはずです!
読んでくれている人の中には
「こんな恐怖をどうにかできるわけがない」
そんな思いを抱えている人もいるかと思います。
気持ちは痛いほどわかります。
でもやってみなくてはわかりません。
わたしも以前は寝ている時以外ずっと腹痛という状態でした。
痛みに耐えきれず救急車を呼んだこともあります。
でも、今はふつうに腹痛を気にせず生活ができています。
どうか悲観的にならずに。
一緒に頑張っていきましょう。
次の記事まずは生活習慣改善の基本をおさえて、腹痛になる頻度を少なくしよう!
まだ、お医者さんで検査していない人はこの記事も読んでみてください。
関連記事過敏性腸症候群かどうかを診断するための検査方法
